ゲーム紹介:ニューヨークのドンに俺はなる!ドン!『ゴッドファーザー ドンエディション』
ニューヨークのドンに俺はなる!
主人公がニューヨーク5大ファミリーの一つ「コルレオーネファミリー」に加わり、抗争やビジネスを経て裏社会でのし上がっていく。
かつて主人公の父はライバルファミリーのドン・バルジーニに殺されている。マフィアとして成長した主人公はやがて父の仇とも対峙することになる。
というのがゲーム版『ゴッドファーザー』のあらすじだ。今回はPS3版の『ゴッドファーザー ドンエディション』を紹介する。ドン!
このゲームで大切なことを1つ教えます。
「サイドブレーキは◯ボタン」
評価ポイント
1.箱庭になったオールドニューヨーク
2.ゴッドファーザーらしさとオリジナリティを両立したストーリー
3.直感的な格闘コマンド
4.暴力の振るい所を考えさせられるシステム : プレッシャー、ベンデッタ、ヒート
5.相棒とソルジャー
余談 武器
ゲームについて
ゲームの舞台 箱庭になったオールドニューヨーク
本作は1940年代後半のニューヨークを舞台にしたオープンワールドになっている。観光名所も再現されていて、雰囲気が感じられる。
道ゆく車もクラシックカーなので、オールドニューヨークをドライブするのも楽しい。
ちなみに、コルレオーネファミリーの原点であるジェンコオリーブオイル商会もバッチリ再現されている。
オープンワールドの体はとっているが、プレイの自由度はあまり高くない。やることはライバルファミリーを潰すのとミッション攻略くらい。戦法や乗っ取り方は色々な方法が取れるからマフィアロールに特化した作品と言える。
ストーリーについて
『ゴッドファーザー』の進行にそって進む物語。登場人物やムービーの『ゴッドファーザー』再現度が高いのがポイント。
映画の物語の裏で主人公がファミリーのために仕事をするというのがストーリーの筋(ところどころ変わっているところはある)。映画で見た流れやロケーションがちらほらあるので見つけるとニヤリとなる。
「原作知らないと楽しめないのか」と思われるかもしれないが、ゲームオリジナル部分も良いなので原作知らなくても楽しめる。『ゴッドファーザー』知らない友人に貸したら結構評判だった。
ゲーム版オリジナルの登場人物(モンクと姉フランキー)もいる。シチリア系とアイルランド系のハーフ故にファミリーの中でアウトサイダー的な位置から進めないと、いうトム・ヘイゲンになれなかった男の話なのでポイント高い。
余談だが、『ゴッドファーザー』『PART2』にいたフランキーことフランコ・ペンタンジェリは本作には登場しない。
ストーリーの他にサイドストーリーとしてコントラクトヒットと頼みごとというのもある。
コントラクトヒット
サブミッション。ライバルファミリーの幹部を始末したりする。特定の条件を満たしてターゲットを始末するとボーナスが入る。基本的にボーナスを満たすようにクリアするのが吉。
本作の多彩な格闘コマンドの使いどころだ。
ボーナス条件はマフィアの仕業と見えないように「橋から突き落とす」「水路に突き落とす」「素手で始末する」、逆に見せしめに「警察署長を衆人監視の中で殺す」結構えげつない。
頼みごと
ドン・コルレオーネからの依頼。麻薬市場を潰すとかそういうの。普段見落としがちな路地裏や地下に行けたりする。ドンの死後はドンに代わってファミリー幹部が依頼するので取り逃がす心配はない。
格闘コマンド
本作では右スティックでパンチ、R1+L1でつかみを繰り出せる。
右スティックを左斜め上→右斜め上…と入力していくとワンツーコンボが繰り出せる。下→上だと強攻撃が出る。
つかみ攻撃は本作の特徴と言える格闘コマンド。相手をガシッと掴んだあとは掴んだまま殴る、コントローラーを振って投げ飛ばす、叩きつけるといったアクションに派生する。R3+L3は首絞めでかけてる間はほぼほぼ解除されない。R3+L3で親指をグーっと押し込んでチョークするのは直感的というか「こりゃZ指定だな」というのが実感できる。
プレッシャー、ベンデッタ、ヒート
プレッシャー
ストーリーを進めるだけではなく、ライバルファミリーを潰すためにビジネスを奪うのも主人公の大事な役割だ。
殴ったり物を壊したりして店主にプレッシャーをかけると店主がこちらに屈する。プレッシャーを与えるほどもらえるみかじめ料が増えるが、脅しすぎると店主が怒って交渉が決裂してしまう。こうなると説得は出来ないしみかじめ料の上限も下がってしまう。相手が怒らないギリギリのラインを見定めて脅しをかけるところに面白さがある。
ところで、ライバルファミリーの商売を奪おうとするとそこにいるライバルファミリーを相手する必要がある。彼等に交渉は通じないから暴力で対処するしかない。パン焼きかまどに投げ込んだりしてみよう。
ベンデッタと抗争
ライバルファミリーを襲ったりビジネスを奪ったりしていると各ライバルファミリーのベンデッタ(報復)度が上がり、あまりやりすぎると抗争になる。
FBIに賄賂を送るか、ライバルファミリー傘下の店舗を爆破すると抗争に勝利する。逆に抗争中に主人公が殺されると抗争に負け、傘下の店が爆破される。
抗争中は街を歩いてるだけでライバルファミリーの車がガンガン銃撃してくるし、時々店も爆破される。ダラダラやってると高確率で殺られて敗北して店が5つくらい吹っ飛ぶ。ちなみに店の復旧はゲーム内で10日くらいかかる。抗争はとにかく血が流れるしメリットが何もないので起きたら早めに終わらせよう。普段から抗争にならない程度にFBIを押さえておくのも大事だ。力を振りかざすだけではマフィアとしてのし上がるのは難しいのだ。
ヒート
いわゆる手配度。本作の舞台は5つのエリアに分かれている。各エリアで犯罪行為を重ねるとヒートレベルが上がる。レベルが上がると警官が銃撃してきたり通りにパトカーでバリケードを作ったりする。敵に回すとマフィアよりよほど面倒な相手。
逆に警官を味方につけることもできる。警官に賄賂を渡したり、署長の弱みを握ってゆすると一定時間ヒートレベルが上がらなくなる。
警官を買収している間はライバルファミリーと出会うと警官がこちらに加勢してくれる。持つべきものは友!
5.相棒とソルジャー
マフィアは1人ではない。ファミリーがいる。金を払うとファミリーメンバーを雇うことが出来る。相棒は1人、ソルジャーは4人まで雇えるので最大6人で行動できる。数で勝負するところにマフィアっぽい狡猾さが表現されている気がする。本作評価ポイントの1つ。抗争は数だよ!
特に相棒は一緒に車に同乗して銃を撃ってくれたりするので主人公を大いに助けてくれる。
余談:武器
武器はリボルバー、マグナム、ピストル、トミーガン、ショットガン、近接武器、絞殺縄、爆弾と火炎瓶がある。
銃器は強化していくと金ピカになってエングレーブ(彫刻)が施す、長さを切り詰めて取り回しを良くする(車や屋内で使いやすい)、装弾数が増えるといった具合で街中でバンバンぶっ放す仕様になり、ついでにガラが悪くなってくる。
犯罪物って感じでいいね!
イマイチな点など
ゲーム内の時間経過を早める術がない
拠点となる物件を買うことでファストトラベルは出来るが、睡眠のようにゲーム内時間を早める術がない。ガンガン抗争を起こすような過激な行動を避けるようにゲームがデザインされているのでこのデメリットは必要だったかもしれない。でも待ち時間は長い。
ジャイロ操作が必須
PS3のコントローラ(DUALSHOCK3)にはモーションセンサーがついている。本作でもモーションセンサーを取り入れており、掴み→投げや叩きつけではコントローラを振る必要がある。この操作は他のボタンで代替できない。
PS4のコントローラやHORIなどのPS3対応コントローラでもモーションセンサーには対応していないので、純正のDUALSHOCK3がない掴み攻撃のチュートリアルで詰む。
発売当時は問題にならなかったが、PS3もコントローラも生産終了している現在ではモーションセンサーがプレイの障壁になるという悲劇が起きている。本作に興味がある人はDUALSHOCK3が正常に動くうちにプレイしてほしい。
総評
『ゴッドファーザー』とニューヨークの雰囲気が楽しめる良作。やって損はしない。星5個中3.5〜4はいく。
モーションセンサーが必須なのでPS3のコントローラがきちんと動くうちにクリアしておきたい。